「生の無条件の肯定と「境界線の正義論」」の「境界線の正義論」

http://d.hatena.ne.jp/x0000000000/20071218/p1
>君は、死に面して「助かりたい。助けてくれないのは不正だ」と言ってはいけないのだ。

これは生の無条件肯定ではないなあ。過去に自己責任論者だった者が死に面して「助かりたい。助けてくれないのは不正だ」と言うのは矛盾だが、矛盾を言ってもいいのだ。「あんたの言ってることは矛盾だよ」と指摘しつつも十全に生きることを支援する、これが生の無条件肯定というものだ。過去の思想によって、自分の考えに賛成するかしないかによって境界線を引く正義など、生の無条件肯定とは言わない。
自己責任論者は福祉の基盤を破壊し、その結果、介護者不足などの事態を招くかもしれない。それでも介護者の派遣において自己責任論者だった者が差別されてはならない。生の無条件肯定を正義とする体系は自己責任論者だった者を差別する調停を行わない。不足する介護者の派遣では、くじ引きか先着順などの調停がなされるだろう。このとき福祉拡充一筋に頑張ってきた者が自己責任論者だった者より後回しになるかもしれない。この帰結を生の無条件肯定の体系を選んだものは受け入れなければならない。自分だけ蚊帳の外ということは許されない。